2026年7月6日月曜日

安芸椿 第五弾 StereotypeS 発売日決定

 


安芸椿の第5弾 『安芸椿 StereotypeS』を令和8年7月7日(火)に発売いたします。


5期目のラベルは、様々なプロダクトを手掛ける制作会社を主宰し代表を務める友達のデザイナーに助言をもらい今まで踏襲してきたオフセットした安芸椿のロゴを思い切ってセンターロゴに変更したデザインにしました。

その際にロゴのサイズを縮小し、サブネームと安芸椿のアイデンティティーであるみくまり峡伏流水と云う文字だけを残し極力シンプルなラベルにしました。


そして今期の安芸椿のサブネームである”StereotypeS”

意味としては皆さんご存知のことと思いますが

【Stereotype】;ありふれたやり方。きまりきった型。特に、心理学で人間の行動・思考・性格などが型にはまって一様であるさま。

辞書などによれば上記の様に書いてあったりします。

このような考えを優先させて選択している人をさしてステレオタイプな人などと表現されたりします。そして、そうした固定観念や既成概念で思考する多くの人々と云う意味で複数形の”S”を付け ステレオタイプスと云う言葉・サブネームを作りました。


このお酒はその既成概念を私なりの解釈で崩し、お酒本来の楽しみ方と新たな楽しみを模索したお酒であります。

『 安芸椿 StereotypeS 』

純米大吟醸 無濾過原酒 袋搾り

アルコール度数 15度

日本酒度 -2

飲み方は : 『冷や』

冷蔵庫(5℃)で保管してある場合 出して10分後にグラスに注ぎ 飲み始めてください

おつまみやペアリングの類は不要 お酒単体でゆっくりと楽しんでください


先ほど、既成概念を「崩し」と書きましたが何にたいして何を崩すのか?

飲み方は「冷や」を推奨していますが まずこの「冷や」とは何か?


日本酒を前面に出した飲食店も割と高級な和食店も知らない方が多いのですが「冷や」とは常温のお酒の事言います。

私がまだ家業の商売に戻る前、ある和食店で冷やで飲めるお酒は何がありますか?この銘柄を冷やでくださいと云うとお水(お冷や)が出てきたり 冷酒の状態で出てきたりした事が何度もありました。。。

また別のある日、日本酒を前面に打ち出した居酒屋に入った時、入店してまずビールを飲み 料理を頼んだ後に純米酒があったので注文する際に「冷や」でとお願いしました。

すると、オーダーを取りに来た女性に変わり、店主が奥から出てきて、「ウチは冷酒はやってないんですよ」と、私は冷酒ではなく常温の冷やで頂けますか?と言い直すと、「お酒は冷やで飲むものではないんです。ウチは熱燗で出していまして」と云い、さらに熱々にしたお酒を冷ましてから飲むと言いそのやり方を披露しました。チロリでカンカンに熱したお酒を赤ワインをデキャンタージュするかの様に高い位置から何度も別の容器に移し替えながら冷ますと言います。さらにこの仕草が大げさなくらいが良いんですとまで...店主は「私がお酒を教えてもらった酒蔵の社長に習いましたから」と...そしてその後私のテーブルの前に来て「日本酒は本来冷やで飲むものではないんです。冷やと云う言葉は冷や水を浴びせるとか冷や飯を食らうとか悪い意味で使われるんです。なので冷やは日本酒に対して失礼だし、造ってくれたメーカーにたいしても失礼なんです」と...ここまで店主の講釈を聞き私は席を立ち会計をしていました。酒は冷酒でも燗にしても美味しいし今までもそうして飲んでいたけど、初めて飲む銘柄のお酒は冷やで飲むのが味や旨さが一番分かりやすいのになぁと思ったりしていました。


私の実家は酒販店で戦後からいわゆる角打ち的な飲み屋もやっていました。お店の隣は軍艦マーチが鳴り響くパチンコ屋、近くにはマツダ本社と府中工場、下請けの鉄工所や町工場などもあり、様々な業種がひしめく雑多な町でした。

夕方になると仕事を終えたマツダの工員の方や作業着を着た土方の人、近所の商売をやってるオッちゃんなどなど沢山の人が来てくれました。

そして皆さん「冷や」ちょうだいと 一言

ビールグラス(一合グラス)になみなみと入れた日本酒を美味しそうにクィ~っと飲んでから自分の飲む場所探しを始めます。今は「たちまち生で」とか「とりあえずビール」と言ったりしますが、ウチにくるお客さんは皆「冷や」と一言。。。

小さな頃からお店の中をウロチョロしてそんな光景を毎日のように見ていました。今ではNGですが昔は「おっちゃんそれ美味しいん?」って聞くと必ず「旨いで~。おぅ飲むか?」って言われチビっと飲まされました。夕方から夜21時までひっきりなしにお客さんが来てワイワイガヤガヤ皆笑顔で大きな声を出して喋り笑ながら何杯も日本酒を飲んで帰ってました。

今考えると凄く猥雑でカオスだけどエネルギッシュな空間だったと思います。小学生だった自分でも楽しそうだなぁと思っていました。

もう一つ昔の話で、私は高校を卒業して神戸市東灘区の大きな問屋兼酒販店に就職しました。担当していた居酒屋の店主が高校を出て右も左も分からない広島から出てきた田舎モンの私を可愛がってくれて、日本一の酒処灘のお酒がずらっと並ぶ棚に「お前の出身の広島の好きな酒を一銘柄置いとけ」と云ってくれて賀茂泉の純米を置かせてもらいました。この当時日本酒はまだ1級酒・2級酒と云ってた時代だったのですが、親父が昔から賀茂泉は本物の酒じゃって言ってたのを思い出して賀茂泉を選びました(今では何故そう言ってたのかわかります)。

当時月給が手取りで11~12万くらいで月末になるといつもお金は殆どなく、居酒屋の大将がメシ食わしてやるから仕事が終わったら来いと言ってくれ、カウンターの端に座らせてもらい、大盛りのご飯と唐揚げ3つ、大きな湯飲みで日本酒一杯を500円玉一枚で食べさせてくれました(ホントにお金が無い時は大盛のごはんと湯飲みの日本酒をタダで食べさせてくれたりもしてました)。その時に飲んでいた日本酒も棚にずらっと並んでいる冷やの日本酒でした。


だから自分がお酒を飲むようになっても日本酒は冷やが一番旨いなぁと思っていました。


最初に書いた冷やを頼んで「お冷や」をもってきた和食屋では、ここでも燗酒を推奨していたからなのか、カウンターで飲んでいたお客さん達と店主が「冷酒を飲んでたら身体こわすよー」って話したりしていました。

冷酒で飲もうが燗で飲もうが、自分が好きな事を推し進める事は悪い事ではないし良い事だと思います。ですが様々な背景や全体を知らずして他を貶したり、一部で熱狂的な支持を集める杜氏の言葉などを鵜のみにして歴史や様々な背景に目を向けないのはもったいなく残念な事だなぁと思います。


あと、昭和48年の日本酒出荷量がピークの時から現在までどんどん生産量が少なくなり現在はピーク時の4分の1まで減少しています。

そんな日本酒業界ですが約15年くらいまえから徐々に特定名称などのお酒が盛り返してききました。何とかブームにつなげようとペアリングと云う言葉も新しく登場。その昔、若い頃にはマリアージュなんて言う恥ずかしくて口に出来ない様な言葉もありましたがそれの現代版ですね。

食事の時にお酒を飲むと云うのは多くの方がそうだと思います。いえ食事の時にこそおおいにお酒を楽しんだりします。ですが最近はちょっとそこに囚われすぎている様にも感じます。


世の中のトレンド、メディアから発せられる情報、SNS、インフルエンサーの言葉、それをどう自分の中に取り込むのかはその人、個人個人の自由...だけどその情報を取り込み自分の中に流し込む前にもう一枚フィルターをかませてもいいのかなぁと

この稚拙な文章で何かが変わったり、崩れたりは無いと思いますが、安芸椿を飲むことによって「佐々木が言ってたのはこう云う事かなぁ」こんなお酒の飲み方もいいもんだなぁと、感じてもらえればなぁと思います。



「冷や」ちょうだい


これが私の中のお酒の原点みたいな言葉なのかもしれません


とある居酒屋の店主が「冷や」は酒じゃない、そんな飲み方は酒に失礼と言われた時にウチの商売や、大声だして喋り楽しそうな笑顔で冷や酒を飲むお客さんを否定されたような淋しい気持ちになってから、まさか自分が日本酒を造り提供すことになろうとは夢にも思いませんでした。

お酒はどんな季節でも、冷酒でキリっとした生酒の風味やほんのり残る発泡感を感じながらクイっと飲むのも良いですし、暑い夏でも熱燗で徳利片手に変化していく酒温を愉しみながらチビチビやるのも良し、そして冷や(常温)のお酒をゆっくりと口の中で味わいながら愉しむのも良いものです。


今期の安芸椿 StereotypeS は私の中のお酒の原点である「冷や」で、ゆっくりとお酒本来の味を愉しみながら味わって頂ければと思います。


大切な方とじっくりと話し込む時間や

心の許せる友達や仲間と語らい合う時

もちろん 一人静かに大好きな音楽を聴いたり 本を読みながら過ごす時


あなたの周りにいる大切な人・大切な事とのその時間に安芸椿をご一緒させてください。


2026年7月 

株式会社佐々木商店 佐々木耕司


安芸椿 StereotypeS

純米大吟醸 無濾過原酒 袋搾り

限定200本

税込5,500円